特徴

一本のロープで車両間をつなぎ、山頂駅の滑車に通して車両を上げ下げする構造で、単線釣瓶式という方式をとっています。最大の特徴は、線路の3分の1がカーブしており、宮脇駅から左へ90度曲がって筑波山頂駅に到着することです。また、線路、途中にある長峰トンネル(118m)もカーブしています。
全長1,634mは日本で3番目に長い距離となっており、最高時速12km、毎秒3.6mのスピードで進みます。これは自転車で走るのと同じくらいの速度になります。
現在の車両は3代目の車両で、当初は「つつじ」「もみじ」という名称が付いていましたが、現在は「もみじ」、「わかば」という名称に変わり、車体も赤と緑をメインにしたカラーリングになっています。

もみじ

わかば

最大乗車人員

1台に107名(車掌を含む)乗車することができます。
1時間に換算すると642人を輸送することができます。

営業開始の経緯

昭和61年頃のケーブルカー

筑波山ケーブルカーは、大正14年10月に、関東地方では、箱根ケーブルカーについで2番目、全国でも5番目に開業したという歴史を持ちます。
当時の筑波山は、現在のパワースポットブームと同様に、筑波山神社の御神体として、多くの参拝者や修行者が訪れる霊山でした。その筑波山にもっと多くの人に来てもらいたいと考えた茨城に住む実業家、高柳淳之助氏らが関係機関に働きかけ、筑波山鋼索鉄道株式会社(筑波山鋼索鉄道線)を設立するに至りました。
同社はその後、昭和19年まで営業を続けますが、昭和19年2月11日、戦時による不要不急線として営業廃止となり、昭和29年に営業を再開。平成11年10月1日に筑波山ロープウェー株式会社(筑波山ロープウェー)と合併し、筑波観光鉄道株式会社と社名を変更し、現在に至っています。
※ロープウェイ(ロープウェー)の標記は、現在のものと昔のものを時代によって分けてあります。

 

昭和29年頃のケーブルカー

昭和29年頃の駅構内

 

立地について

筑波山ケーブルカーは筑波山の中腹、宮脇駅(標高305m)と山頂の筑波山頂駅(標高800m)間、1,634mを約8分で結んでいます。山麓の宮脇駅は筑波山神社の隣に位置しており、『お宮の隣→お宮の脇→宮脇』ということから宮脇駅という名称になりました。

宮脇駅

筑波山頂駅

 

景観について

ケーブルカーの車窓からは、四季を通じて色とりどりの草花を見ることができます。春は梅、桜、カタクリ、ニリンソウ、つつじ、初夏にはアジサイ、秋には紅葉、冬には雪景色を楽しむことができます。また、標高500mを超えると、樹齢500年を越える杉の巨木が多く見られ、筑波山を形作っているハンレイ石の巨岩も見ることができます。
山麓の宮脇駅近辺では、福寿草(2~3月)、もみじ(11月)が植樹されており、その時期には、たくさんのお客様がお越しになり、絶好の撮影スポットになります。

景色も素晴らしく、山頂からはつくば市の町並み、東京スカイツリーを始め、東京都心の高層ビル群や富士山、浅間、日光那須の連山を望むことができます。
ケーブルカーの車窓の後方には、線路越しに地平線を眺めることができ、木々の間から見る景色は、山頂から見る景色とはまた違った感動を与えてくれます。前方の窓から線路を見ると、最急勾配約20度の線路は、まるで地上と天空を繋ぐ、架け橋のような風景となっています。

秋の紅葉風景

東京スカイツリーを一望

 

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